A. ここ手向地区の、観光・信仰・くらしを繋ぎ、好循環を生み出していくためのこれからの手向地区の地域づくりを担うのが手向地区まちづくり会社。そんな会社の設立のために、2024年に手向地区まちづくり会社設立準備会が発足されました。
A. 江戸時代、300軒を超える宿坊が立ち並ぶ手向の宿坊街は、多くの参拝客で賑わっていました。この活況は地域の人々の暮らしを支える重要な基盤となっていましたが、時代とともに徐々に衰退。さらに、バイパス道路の開通や羽黒山頂までの自動車でのアクセスが可能になったことで、手向地区への参拝客は大きく減少することとなりました。
それでも現在、手向には26軒の宿坊があり、出羽三山講の営みが続いています。2022年の観光庁の調査で、この出羽三山講の営みが東日本の広範囲をカバーし、近世以来の方法で維持されてきた点において、手向が唯一無二の山岳信仰集落であり、極めて高い文化的価値を持つことが再発見されました。この文化的価値を守り、活かしていく方法はないだろうか。 昔から外からの多くの参拝客を受け入れ、信仰・観光・くらしが密接に繋がり、発展してきた手向地区。この地域のこれからを考える私たちは、やはり信仰・観光・くらしが鍵になると考えました。
現在の手向地区では、観光協会や神社仏閣、地域の団体など、多くの組織が「信仰」「観光」「くらし」に関わる活動を行っています。しかし、これらの活動をうまくつなげて、人や経済の「好循環」を生み出す組織がまだありません。この状況を改善するため、地域の人々や専門家が集まって、「まちづくり会社」をつくろうとしています。
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信仰が息づいた暮らし・生業、人々の交流が有機的に結びついた総体としての歴史文化を、守り活かしていくことによって信仰・観光・くらしの好循環を生み出し、暮らし続けたいまち/訪れたいまちを築いていくこと。
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私たちの手向地区を、よりくらしやすいまちにするためには何が必要でしょうか。 手向地区自治振興会が 2020 年にまとめた「門前町手向地区まちづくりプラン」では、10 年後に目指したい手向の姿として、以下のような理想像が掲げられています。
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しかし、同まちづくりプランでも触れられている通り、こうした理想像を達成するためには解決しなければならない課題があります。 まちづくりプランでは、
「子どもたちの生活が不便になるのではないか?」
「除雪ってなりたつの?」